遺伝子も腸のいいなり 持って生まれた定めなどアリマセン!
藤田紘一郎 著
「脳はバカ、腸はかしこい」(←著作のタイトル)の藤田先生の本です。この本もタイトルにキレがあって、つい手にとってしまいました。ストレートで、明るくて、内容も同じように明快でした。前半は、脳の働きで不安や恐怖が生まれ、その不安に対して腸は解決策を持っていることが書かれています。また後半になると、遺伝子が環境に影響され、腸内細菌にとりいれていることが書かれています。他に違う出版社から「絶好腸!!」という本があります。こちらに比べ、「脳はバカ、腸はかしこい」「遺伝子も腸のいいなり」は、もっと感情にあふれていて、思わず声を立てて笑ってしまうところも。
専門的な研究をかみくだいて説明されている
こんな研究がされていて、こんなことがわかってきましたよ、という説明が素人でもわかりやすく、また自分に関係があることが例として挙げられていて興味深く感じました。語り口はやさしいのですが、内容はぎっしりと「どこかで研究されたこと」が羅列されているので、一度にたくさん読むことがもったいなくてできませんでした。内容は、かなり細かい見出しでわかりやすく並んでいるので、見出しを見て興味のあるあたりを拾って読むことが出来ました。
遺伝子とは関係ないことですが、キレイを目指す大人の女性として、ダイエットに有用な記述に反応してしまいます。栄養のバランスが整っているだけでは、満腹中枢は正しく働かないようです。脳が喜び、腸が不満に感じるポイントは、人工的な味付けでした。「もっと食べたい」と脳が要求しているのか、腸が要求しているのか、判断できるようになるためには、人工的な味付けを控えることだそうです。
「人工的に味付けのないものを食べている限り、満腹中枢は正常に働くのです。」
「調味料で味付けされ、油でこってりの食品を食べてばかりいると、満腹中枢がかく乱されて、必要以上に食べ続けることになります。」
「空腹を覚えて、お腹の気持ちを理解する。身体に栄養が本当に必要なときがわかり、無理して食べなくなります。」
このことから、子供を薄味で育てることは、たいへん意義深いことだったと驚くばかりです。離乳食を作った経験を通して、ダシをとることを覚えたり人口調味料を使わなくなったり、親の食も変化したのです。味を徐々に薄くしていこうかな、と生活が変わるかもしれません。