「見た目は腸が決める」読みました

見た目は腸が決める、書籍見た目は腸が決める
松生常夫 著

松生先生は、消化器内科医で、便秘外来の専門家です。4万件以上の腸の具合の悪い人を診てきた過程で感じることがあるそうです。
”腸が健康になると、それにつれて「見た目」も改善していくのです。”
また、こちらの著作で「見た目」という場合、お肌の状態や体型の維持のことを指しています。便秘が治れば肌もきれいになる、という感じです。老化についての考察が多くのページをさいて説明されていましたが、私は「老化」「見た目」そして「健康」が、同じことを示しているように思えました。
「老化」について、第2章から述べられています。老化には、酸化、糖化、炎症の3つのストレスが関係していることが最近の研究でわかっています。老化のメカニズムはたいへん興味深く、面白かったのですが、なかなか読むのに時間がかかりました。
また、この本では具体的にオリーブオイルをプッシュしていて、地中海式の食事の利点も非常にわかりやすく書いてありました。

「腸内フローラ」について
“最近話題の腸内フローラですが、これは「腸内細菌叢」のことで、多種多様な腸内細菌がお花畑(フローラ)のように腸内に棲息している様子を表しています。”
免疫に関しても、皮膚の状態を美しく保つためにも、腸内環境を整えることは重要だと感じます。この著作では、腸内環境を整えるために、食物繊維や乳酸菌の有用性が記されています。具体的なレシピや、海外の研究を引用されていたりします。海外の研究報告は短くまとめられていて、けして難しくはありません。やさしい言葉で解説されています。

「脳腸相関」について
“うつ状態になると、腸管の運動が低下し、その結果、排便状態が悪化して腸管の機能低下が生じます。”
ストレスを感じている脳は、腸の機能、運動を低下させるし、腸からの信号が脳の働き、情動に影響を与えるということらしいです。また松生先生が、植物性乳酸菌の効果を調査したところ、「気分の改善にも有効であることが示唆された」ということです。セロトニンを分泌するために腸内フローラの状態を良くしたいと考えていたものの、どちらも影響を及ぼし合っているようで、興味深いです。

「植物性乳酸菌」について
動物性乳酸菌とは、腸への届きやすさが違いがあるそうです。
“植物性乳酸菌は、山やアルカリ、温度変化などに強いという特質があるため、胃や腸で死滅することなく、生きたまま大腸に届きやすいのです。”
“生きたまま大腸に届いた植物性乳酸菌は乳酸を放出して腸内環境を弱酸性にします。大腸内が弱酸性になると善玉菌が増加するのです。”
しば漬け、野沢菜、すぐき、味噌、醤油、日本酒などに含まれています。小腸に対しては免疫力を増強し、大腸に対しては善玉菌を増加させ、腸内環境を改善するそうです。