おなかにサナダムシを飼っていることで有名な先生の著作です。図書館で借りてきました。生物は脳よりも先に腸で思考していたそうです。また、腸は神経系細胞が最初に出現した臓器で、唯一、脳からの指令がなくても独自の命令を発信できるそうです。セロトニンについて勉強しようと手にした本ですが、腸への愛情があふれた面白い本でした。寄生虫がいるとアレルギーにならない、という話は誰でも耳にしたことがあるのではないでしょうか。その先生の本です。
私は最近、脳内幸せ物質であるセロトニンやドーパミンが腸で合成され、その前駆体が腸内細菌によって脳内に運ばれていることを報告しました。腸内細菌がバランスよく多量に存在しないと、私たちは幸せな気分になれません。「幸せ」を作っているのは腸だったのです。
藤田紘一郎 著「脳はバカ、腸はかしこい」より
安直に、セロトニンの材料であるトリプトファンを摂取すればいいと考えていましたが、そうではないようです。ここでも「バランスの良い」ことが要求されています。
腸内環境を整えてセロトニンを活性化させる食べ物とは
アンチエイジングを考える私にとって、活性酸素の問題はけして小さくありません。活性酸素は、食品添加物や残留農薬、排気ガス、強いストレス、電磁波や放射線、紫外線の影響によっても発生し、セロトニンを作る腸を攻撃するそうです。活性酸素を消す「抗酸化力」のある食品を積極的に摂る必要があると藤田先生は述べています。「抗酸化力」のある食品とは、植物の中に含まれている「フィトケミカル」という化合物に強力な抗酸化作用があります。
この本では、オリーブオイルが挙げられていました。ポリフェノールやビタミンEが含まれ、他の植物油と比べて酸化されにくいオレイン酸が多く含まれています。低温圧搾のエキストラバージンオイルがよいそうです。オリーブオイルは、活性酸素による酸化や過酸化脂質の発生を防ぎ、結果として腸からのセロトニン分泌を助け、能の働きを改善する効果も期待されています。